お知らせ
歯周病と全身疾患
2024.3.11
目次
こんにちは。赤羽歯科池袋診療所 院長の原田です。
今回は「歯周病と全身疾患」ということで、筆を執らせていただきました。
虫歯と並び、お口の中の二大疾患である歯周病について説明しておりますので、患者さんがお口の
中への理解を深める一助となれば幸いでございます。
歯周病とはどんな病気か
歯周病とはどんな病気か
我々人間の歯は歯ぐきに植立しています。
歯ぐきの中には骨がありますので、歯は骨に植立しているわけです。
歯周病とは、「歯周病原細菌」と言う菌が悪さをして、骨を吸収=溶かしてしまう病気です。
初めから悪い菌がいるわけではなく、歯垢や歯石に対して歯ぐきが炎症を起こして腫れる、いわ
ゆる歯肉炎から始まります。
腫れて深くなった歯茎と歯の谷間(歯周ポケット)の中にさらに汚れがたまり、徐々に歯周病原
細菌が定着します。歯周病原細菌は毒素を放出します。毒素の作用より、歯と歯ぐきの結合である
付着が喪失し、骨が吸収します。
深い歯周ポケットの中の汚れは、セルフケアではもう除去できませんから、更に歯周ポケットが
深くなっていきます。骨が常に細菌感染にさらされた状態になるわけです。
骨がどんどん減っていくと支えがなくなり、グラグラ揺れてしまい噛めなくなったり、最悪の場
合歯が抜けてしまうことすらあります。
歯の喪失の原因で一番多いのは歯周病なのです。
歯周病と糖尿病
歯周病と糖尿病
歯周病と糖尿病は、双方向性に悪い影響を及ぼし合います。
まず、歯周病が糖尿病を増悪させる仕組みですが、前述した通り、歯周病に侵された歯周ポケッ
ト内は、痛みのあるなし(=急性か慢性か)にかかわらず、常に感染による炎症が起きています。
傷口のバイキンの消毒をしないまま、放置しているようなものです。
歯周ポケットの細菌は炎症性の物質を放出しています。歯周ポケットの毛細血管から血流に乗っ
た炎症性の物質の作用により、炎症性の物質は全身に広がります。その結果、膵臓から分泌され
る、血糖値をさげる成分であるインスリンが、細胞に対して効きにくくなります。
このような機序で、血糖値のコントロールが難しくなるため、糖尿病が増悪していきます。
逆に、糖尿病が歯周病を増悪させる事もわかっています。
糖尿病が人体に及ぼす作用としては、免疫力の低下や、細胞の修復能が下がることにより傷口の
治りが遅くなることが知られています。
歯周ポケット内は歯周病原細菌により正常な組織を破壊されている状態、つまり傷口のような状
態ですので、糖尿病の患者さんは歯周病に対する抵抗性が低く、増悪しやすくなるわけです。
歯周病と健康寿命とオーラルフレイル
歯周病と健康寿命とオーラルフレイル
歯周病により歯を失うと、歯があるときに比べ、話したり、歯があった時と同じものを、しっか
り噛んで食べたりといったことが十分に行えなくなります。
心身が健康な状態で、自分の心身で自立して生活している期間のことを「健康寿命」といいます。
健康寿命にはもちろん、よく食べ、よく話す事も含まれています。
超高齢化社会を迎えた今の日本において、健康寿命のために、お口の中の衰弱を早期発見・早期
治療すること、また予防することが求められています。
お口の中の衰弱を、「オーラルフレイル」と言います。
歯周病はまさにオーラルフレイルにつながり、そして健康につながっていく病気なのです。
患者様の一生の健康のために、お口の中を守っていくことは、我々の責務だと考えています。
最後に
最後に
歯周病のコントロールのためには、歯科医院での予防ケアや専門的なアドバイスや治療を受ける
のが有効です。
定期的にブラッシングのフィードバックや歯周病のチェックをするために、ぜひかかりつけ医を
作ることをおすすめいたします。
皆様の健康な生活を守るため、当院では歯科医師が日々研鑽に励んでおります。
お口の中でお困りのこと、ご不安、ご相談等があればいつでもいらしてください。スタッフ一同お待ちしております。
赤羽歯科 池袋診療所はサンシャイン60ビル8階にございます。
池袋駅東口から徒歩8分。東池袋駅直結徒歩3分。雨に濡れずにご来院できます。
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